小説

「っ・・・。」
頭が痛い。うっすら目を開けるとそこは見たことのない場所だった。
モノクロの部屋には、大きなグランドピアノがポツンと置いてあり、そこからなんだか孤独感が感じられた。
「ここは、何処だろう・・・。」
いや、少し違うな。私は此処を知っている。来たことがあるのだと思う。でも、思いだせない。思いだそうとすると、
「うっ・・・。」
頭がズキンと痛み、真っ白になる。
思いだすことは諦めて私はふかふかのソファーに腰を下ろすことにした。
何をするかと考えていると、
「あら、いらっしゃい?」
可愛い女の子の声が聞こえた。
「誰っ?」
私は勢いよくソファーから立ち上がると入口を見つめた。コツコツと控えめな足音がして女の子が私の前まで歩いてくると、
「会いたかった。」
と言って抱きついてくる。
・・・へっ?
「あの、君誰?」
女の子を引きはがして尋ねると、一瞬悲しそうに顔を歪めた後、
「あたしは過去の貴方。」
と答えると、ボロボロ泣きだしてしまった。
「どっ、どうしたの!?」
私がオロオロしている間に女の子は泣きやんで、
「貴方は死んだのよ。恋人を守るために。馬鹿みたいよ。同じ私として恥ずかしいわ。男なんて何処がいいのか分からない。」
今度は私を睨みつけた。明らかに敵意が丸出しでさすがにビビった。






・・・飽きたw